ストレスとストレッサー(ストレス学説)
2月の20日過ぎという季節からすると暖かな日が続く最近ですが、如何お過ごしでしょうか。私が講師をしている中和医療専門学校では、3年生が2月24,25日の二日間にわたって行われる国家試験に向かって、全力で勉強している時期です。最近の授業では、私の担当している鍼灸理論についての質問や、国試の過去問についての質問に答える時間が多くなっています。 そんな中で、ふとストレスとストレッサーを考える時間がありました。
これは、カナダのハンス・セリエ氏が1936年に提唱した学説で、生体に加えられた種々の刺激は、下垂体−副腎皮質系を介して内分泌系に特徴ある一連の反応を起こすという内容のものであります。東洋医学には、怒りとか悲しみという情動が、肝や肺に影響し、健康を害すという考えがあり、心と身体の関係を重要視した精神身体医学の基礎的な考え方の一つであります。 これは、私達の生活環境をとりまく内外の様々な刺激が、生体に影響を及ぼすことをあらわしています。このように生体に対して刺激となるものを、ストレッサーと呼び、ストレッサーが作り出す生体のゆがみ・ひずみの状態を、ストレスといいます。
私が最近、講演会に参加し、本を読ませて頂いている小林正観さんはその著書「幸せの宇宙構造」の中で、ストレスとストレスを感じる「私」との関係は「ストレッサー度」対「許容量」の問題であると言っています。目の前をある人が通り過ぎるとします。その人に対して「私」が何も感じなければその人はストレッサーではありません。その次の人が通り過ぎるときに、その人が「私」をイライラさせたとします。イライラさせたということは、つまり「私」がイライラしたということですが、そのイライラした瞬間に地球上に、「私」の目の前にストレッサーが生まれたのです。つまりストレッサーとなる人が現れたわけです。
暇なときにこの許容量を上げる訓練をしておけば、いろいろな時に対処できることになります。その訓練という場が私達の日常生活であり、まわりと人間関係であるということです。それを考えたら毎日毎日、自分の目の前で「私」の許容量を上げてくださる方に思わず頭が下がり、手を合わせて拝みたくなるではありませんか。正観さんの本の抜粋になってしまいましたが、一つの出来事、宇宙的な事実というものには「色」がついていません。それに「色」をつけるというのは「私」なのです。正観さんの話してみえる「ものの見方と見方道」をもっと知りたいという思いが強くなったということで、今回は終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
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